2.能力の評価方法
しかしながら、保有能力の度合いを測定せねばならないのは前述したとおりである。それではどのように測定するか。能力に関しては「持っているか否か」を判断するのが難しいとすれば、「できる」「できない」で測定するしかないであろう。発揮能力といってもよい。さて、ここでまた難問が生じる。どういう項目で測定するか。ブルーカラーの場合は一種のチェックリストを用いることが考えられるし、作業ごとに「後輩に指導できる」「自分ひとりでできる」「指導をうけなければできない」といった区分は比較的容易である。ところがホワイトカラーの場合にはこのような区分は難しい。「作業」のレベルまで落とし込むのは一種のマニュアル作りとなるが、ホワイトカラーの場合、特に企画・判断業務などは各人各様で一定の公式があるわけではない。
ここで筆者が注目したいのは「どのような行動ができたか(したか)」である。この意味でコンピテンシーという言葉を用いる向きもあるが、この言葉は使用する者によって意味するところがまちまちである。コンピテンシーを「行動」ととらえる者もいれば、「能力」ととらえる者もいる。要するに定義がはっきりしないマジックワードなのである。そこで、本稿では「行動」として明確に日本語で表しておきたい。
与えられた職務に対してどのような行動をとったか否かはある程度明白である。営業など管理職が同行しない場合であっても、どのような会話を得意先となしてきたかは報告を聞けば大体のことはつかめる(ただし、本人が虚偽の報告をしたら話は別である)。企画・判断業務はアウトプットをみれば判断が可能であり、そもそもどのような手順・段取りで仕事を進めるかを打ち合わせれば、本人にどの程度の力量があるかは判断できよう。これをもとにして能力の評価、伸長を測定するのが一つの方法である。 |