キャリア形成推進マガジン
キャリア・コンサルティングの現場からの報告

2009年7月10日配信
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体験を意味づける
【2】
 キャリアカウンセラー 小板橋 孝雄
 ィッシュペーパーを10枚も使って大泣きしていた学生が、今日はスッキリした顔をしてこんなことを語り始めました。「今まで苦労しなかったから今苦労しているのかな・・・。何か意味があるんだよね。小板橋さん・・・。これ乗り越えたら強くなれるような気がする。頑張るよ!」。4月まで就職活動に踏み出せなかった学生がぽつりとつぶやきます。「一人で見知らぬ場所に行き、知らない人と自分のことを話す。怖かった・・・。でも今は普通にたどり着けて話している自分・・・。凄いと思った。」3月に19歳になったばかりです。
 談ブースの隣の円形テーブルでは4、5人の学生が情報交換をしながら、「意外とイケてるよね、私達。私13社落ちたけれどまだあきらめない。落ちても得るものはあるよ。ゆとり教育世代とか言われるけれど結構強いでしょ。」と屈託の無い笑顔を見せます。「友達の温かさが伝わってきた。落ちたらみんながメールをくれた。タイミングよく電話が来る。泣いた・・・。そばにいてくれるだけで泣ける。こんな厳しい状況だから気づいたし、この絆を大切にしたい・・・。」一人で自分の部屋にいると不安で怖くなるそうですが、みんなで集まると勇気が湧くそうです。
 「なぜこんな時代に就職活動・・・」と愚痴をこぼしながらも、自分たちの体験を前向きに受け入れる学生がこんなにいることに本当に嬉しくなりました。目の前で起こる良いことも悪いことも何か意味がある。すべて受け入れよう。学生には「偶然を楽しもう」と伝えています。自分にとって辛いことや悲しいことは喜ぶことのできないマイナス感情ですが、不幸ではなく何か意味があると考え、受け入れることがこの場合の「楽しむ」です。辛い状況を受け入れ意味づけをし、一歩踏み出すエネルギーに変えて就職活動を続けていく。その中で新たな体験をし、振り返ることでさらに何かに気づく。そしてまた行動・・・。
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