深く分析すると
その時、まず問題になったのは何を就職活動の成功と見なすかである。実はこれまでの研究のほとんどは、大企業や上場企業に就職することを、就職活動の成功と見なしてきた。しかし、価値観が多様化してきている現在、成否は、企業規模のような何らかの基準をあてはめて決定するのではなく、本人に委ねた方が良いと考えた。そこで、調査回答者自身が100点満点で採点した「就職活動に対する自己評価点」の点数が高くなることを、成功と見なすことにした。ちなみに、この点数が高い人は、他の設問(就職先の企業属性や就職活動に対する満足度など)に対する回答傾向から見ても、いわゆる就職活動の成功者と見なすことができた。ともあれ、この自己評価点の個人ごとの違いが、何によってもたらされているのかを分析した。
最初に行ったのは、優の割合で見た「大学での成績」と、入試難易度で見た「出身大学」の影響があるか否かであった。いずれも直接尋ねた結果では、成功をもたらす要因としては現れてこないものだが、分析の結果、成績が良くなるほど、また入試難易度の高い大学の学生ほど、就職活動に成功していることがわかった。
しかし、この2つの要因だけでは充分な説明ができないので、いくつかの要因を加えてさらに分析した。追加した要因の1つが、冒頭で紹介した調査結果の「熱意・意欲」に関連する「就職に対する意識」である。私たちの調査では、「大学4年の4月頃の、就職に対する意識」を尋ねていたので、その結果を用いた。その結果は、「是が非でも今年度中に決めたいと思った」が約半数を占め、「今年度中に決まれば良いと思った」や「別に今年度でなくとも就職できれば良いと思った」、「アルバイトや派遣でも良いと思った」などの回答が残りを占めた。そこで「是が非でも」グループとそうでないグループに二分した変数を作成し、意識の影響を見た。また、成績だけが大学生活の成果ではないので、「ゼミ」や「サークルや部活」などの参加状況も変数として用いた。 |