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◆ 2006年9月10日配信 ◆ |
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| 個人の自律的キャリア開発と日本型組織モード |
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| 2.日本における自律的キャリア開発 日本において自律的キャリア開発が重要だと盛んに言われるようになったのは、日本企業が過剰な労働力の調整を迫られた90年代後半からであったように思います。この時期、デフレ不況と競争のグローバル化の下に人件費の高止まりに苛まれた日本企業は、コスト競争力を取り戻そうとアメリカにおける柔軟な市場志向の人事管理の仕方に倣おうとしました。 平均的なアメリカ企業の人事管理は、個人の自律的キャリア意識の下に成立していました。つまりアメリカにおける自律的キャリア開発とは、「独立独行のキャリア意識」を持って、「1つの仕事・会社・キャリアパスにしがみつくことなくキャリア競争力を高めていく」ことでした。言い換えれば、自分の価値観をベースにしたキャリアの重要性の認識、および市場競争力のある組織間キャリア開発の主体的な自助努力を意味しました。 しかし、およそ10年を経て、現在の日本企業における自律的キャリア開発の内実は、アメリカにおけるそれとはかなりの程度異なるかたちで進展したようです。すなわち、アメリカにおける自律的キャリア開発は、平均的な日本企業に比べてヨリ市場志向的な雇用慣行―雇用期間は短く、離職率は高く、教育訓練投資は少なく、賃金や採用・昇進・異動は市場水準その他の外部基準に基づいて決まる―と補完的に結合していました。しかし、日本における自律的キャリア開発は、平均的なアメリカ企業に比べてヨリ組織志向的な雇用慣行―長期の雇用、低い離職率、広範な教育訓練、平等・年功といった組織内配慮に基づく賃金や採用・昇進・異動の決定―との補完性が要求されたのです。 つまり、日本においては組織志向のキャリア開発が堅調に推移したのです。その帰結として個人のキャリア意識はさほど企業の外部(市場)に向かわなかったと言えます。日本における自律的キャリア開発は、 ア)長期雇用保障を基礎として イ)組織内の自律的キャリア選択を奨励し ウ)そのかわり職務上の成果を強く求める という個人と組織の新しい心理的な契約関係をその基盤に持っていると言えます。 |
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