キャリア・コンサルティングの現場からの報告  

2007年9月10日配信
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キャリア・コンサルティングの現場で思うこと~その3~
【2】
社団法人 日本産業カウンセラー協会   関西支部
キャリアカウンセラー部長
  橋本 俊作
 木典子先生によると、「実は、人は中立的、客観的な立場に立つことはできない。」と言う。しかし、「それでもカウンセラーはカウンセリングの場で、いわゆる「中立性」を指向しようとする。」ことになる。なぜなら、カウンセリングの基本である、「傾聴」「肯定」「受容」「共感的理解」は、中立性なくしては成り立たないからである。通常人ができないことを、カウンセラーはやろうとする。カウンセリングとは、なんとも難しいものである。だからこそ、カウンセラーは資格を取得したことで、カウンセラーになるのではなく、継続的な学習やスーパービジョンを受けることを経て、カウンセラーになって行くと言えるのではないだろうか。もちろん、キャリア・コンサルタントも同じであることは言うまでもない。

自身日々のキャリア・コンサルティングの場面を振り返ってみると、自分の価値観で評価したり判断してしまったりしていることが多いことに気づき、自分の未熟さを痛感する。例えば、生活保護受給者の自立支援においてクライアントの話しを聴きながら、「いったいどこからこんな甘い考えが出て来るのだろう。こんな考えで就職などできるはずがない。」などと思っている自分に気づき、はっとすることがある。思っているだけならいいのだが、表情に出てしまっているかもしれない。反省するところ大である。人にはそれぞれその人の世界があり、人はその世界を通して世の中を見ているのだ、との考えに立ち戻り、自己の中立性を保つことを常に意識して心に留めておかなければならないと思う。
 スーパービジョンをすることで学ぶことは確かに多い。しかし、それと同時にスーパービジョンを受けることで、自分自身の考え方のクセに気づき中立性を保っていくことが、キャリア・コンサルタントへの道だと思う日々である。

 ☆参考文献☆
   「カウンセリングとは何か」  平木 典子 (朝日新聞社 2005)

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