■ クラスルームからeラーニングへ
上記のアクション・ラーニングに加えて、最近の企業内経営訓練ではeラーニングの活用が盛んになってきている。例えば先進的企業ノキアでは、社内イントラネットを通じて1000種以上のeプログラムを提供している。ノキアの人材は、これらのメニューのうちから学習したいプログラムを選択し、上司と相談したうえで、選択したプログラムに自律的に取り組みを始める。
これまでのeプログラムの欠陥は、インタラクティブ(相互交流)型のプログラムが提供しにくいという点にあった。しかし、最近はIT技術の格段の進歩から、各プログラムにおけるインタラクティブなやり取りが容易になっている。プログラムによっては、同じプログラムを学習している仲間同士のコミュニケーションも可能になっている。
このeラーニングは、先に紹介したアクション・ラーニングに比べて、圧倒的に多数の人材に対して、比較的低コストで優れたプログラムを提供できる。しかし、この種のプログラムの成功の鍵は、やはり学習者の自律的な学習意欲に求められる。今後益々活用が進むeラーニングでは、学習者の意欲をいかに持続していくかが最大の課題となるだろう。
■ ビジョン・ベース・キャリア開発へ
最後にキャリア・ディベロップメントにおける新傾向を紹介しておきたい。
これまでのキャリア開発の考え方では、企業が準備した様々なキャリア・パスのうちから各人材に好きなパスを選択してもらう、もしくは、企業が適切と考えるキャリア・パスを各人材に提供するという考え方が一般的であった。しかし、このビジョン・ベースのキャリア開発を実際に成功に導くためには、まず各人材に10年先の本人の姿、"こうありたい、ここまで到達したい"というビジョンを設定してもらい、さらにそのビジョンに到達するために必要とされるアクション・プランを作成してもらう必要がある。このアクションとしては、職務拡大や充実、ローテーション、プロジェクトチームのリーダーの経験、留学、訓練と開発、昇進といった様々なアクションが含まれる。このプロセスで上司はカウンセラー、コーチとしての役割を担い、本人が優れたビジョンとプランが設定できるように手助けをするのである。そしてここでも、本人の自発的なビジョン設定と自律的なキャリア開発プランへの取組が、成功への鍵を握ることとなるのである。 |